高齢者福祉を通じて杉並区の街づくりを考える/杉樹会の法人活動紹介サイトです

人生の1頁に関わるということ

特別養護老人ホームでは、静かなお別れをしなくてはならないことがあります。
数年間、さんじゅ阿佐谷で暮らしてこられたある方が亡くなった時のこと。
彼女とは、廊下で交わした会話がきっかけで、毎日のように言葉を交わすようになり、お手紙をいただいたこともありました。
訃報を知った時はとても寂しく、残念な想いでした。
日々もっと身近にいる介護職の皆さんたちは、何度もこのような場面に立ち会っているのだろうと思います。

後日、その方のご子息にご挨拶する機会がありました。
その際、

「母にとって、さんじゅ阿佐谷での晩年の数年間は人生の中でもとても幸せなひとときでした。若い頃は苦労して、自分の趣味や楽しみの時間なんて持てなかったと思います。
でもここでは多くの方とお話ししたり、歌や絵画、工作など、ここでなければ得られなかった楽しいことがたくさんありました。
お世話くださった職員お一人おひとりに心から感謝しています」

と皆さんへの伝言をお預かりしました。
彼女の人生の1頁が、職員の皆さんの働きによって色鮮やかなものとして刻まれたことを、出会いと別れを噛み締めつつ、ありがたく、嬉しく感じました。