高齢者福祉を通じて杉並区の街づくりを考える/杉樹会の法人活動紹介サイトです

人生の“イベント”に向き合うために

オリンピック、パラリンピックが終わりました。
1年延期、無観客、その他プロセスや運営の中でもいろいろなことがあり、この機会に議論すべきこと、総括すべきこと、今後にどう活かすのか、投げかけるものがとても多いものとなりました。風化させてはいけない大切なテーマもいくつもありました。

特養のご入居者様は皆さん前の東京オリンピックもご存知で、「2回も体験できるなんて」「見るまでは死ねない!健康に気をつけて頑張る!」など、ひとつの目標にして楽しみにされている方々の声を聞いていました。

それをよくわかっている施設の職員は「喜んでいただけるように」といろいろ工夫していました。開会式の日のブルーインパルスの時間に合わせて屋上にお連れしたり、こういうイベント時の介護職員の様子は微笑ましいくらいに一生懸命に見えます。

ある職員がこんなことを言っていました。
「その方のことを知らないとちゃんと向き合って会話やコミュニケーションが出来ないと思っているので、自分なりに予習します」
 過去の出来事や背景、その方の趣味について話せるくらいに多少の知識は必要、その方の故郷や過ごしてこられた場所のことなど、本やネットで調べてみる、というのです。

職種、業種を問わず、営業的に情報を多面的に活用することは普通に行われていて、その成否が結果に表れることは少なくありません。
介護職は単に身の回りのお世話をする係ではなく、ご利用者様とのコミュニケーションを上手に取れなければならない、そこにプロフェッショナルの力量が試される場面は多々あると思っています。
なので、ちゃんと“予習”して臨むという職員の言葉を聞いて、心の中で大きくうなずいていました。