高齢者福祉を通じて杉並区の街づくりを考える/杉樹会の法人活動紹介サイトです

敬い、支える

毎年9月15日の「老人の日」に合せて厚生労働省が発表する「100歳以上高齢者」の数は、今年は全国で過去最多の8万6510人。
昨年より6060人増え、その88.4%が女性。調査開始の1963年が153人で、推計では2025年に15万人と予測されていますので驚くべき増え方といえます。
同時に介護や医療など高齢者にまつわる問題が深刻化なのも明らかです。

私たちの職場では100歳以上の方はじめ超高齢の方々と接するのは日常的なことです。
それでも、幼稚園や保育園のお子さんたちが行事等で施設を訪れてくれることがありますが、一緒に並ぶ姿を見ながら「5歳と105歳」など、「100年もの歴史の差」に改めて敬意を覚えます。

先日、特養の施設内でご利用者様への呼び掛け方について職員と話す機会がありました。
とてもフレンドリーな方、親しげに接することを好む方、長くご入居されていてたくさんの会話を重ねてきた方など、時に名字で「〇〇さん」では堅苦しい印象となるケースもあるのでは?
下のお名前で呼ぶことについてどう思うか、と尋ねると、
「それでも私は名前ではなく、名字でお呼びします」と即答されました。
理由は
「もし自分が家族だったら気にする。ちょっと嫌かもしれない」
「ほかのご利用者様が聞いた時に、自分と扱いが違う、と不愉快になることもあると思う」
ということでした。

介護する側が介護される方に対して、「もし自分の親だったら」「自分だったら」と想いを寄せることはあらゆる場面で求められます。
敬い、支える、が介護のお仕事の原点です。